相続ってどうすればいいの?
1 はじめに
親族がお亡くなりになったら、悲しみがあけやらないうちであっても、相続について取り組まなければなりません。確定申告や遺留分減殺の時効の問題もあります。取り組み始めたら手遅れということにもなりかねません。
2 相続人が誰なのか(相続人の確定)
相続となったら、まず、相続人がどなたかを確認しましょう。特に、故人が再婚をしていた場合等は、何十年も音信不通であった子どもがいる場合も少なくありません。
3 相続財産・負債の調査
次に、相続財産と故人の債務を調査しましょう。相続は、財産のみを引き継ぐものではありません。包括承継といって、債務も含めてすべてを引き継ぐのです。財産ばかりに目を向けてしまい、債務について調査を怠ると後で取り返しのつかない事態にもなりかねません。
4 遺言書の有無の確認
そして、遺言書の有無の確認です。遺言書はないものと思っていたら、仏壇から、あるいは、故人の机の引き出しから思いがけずに見つかることがあります。しっかり調べて遺言書の有無を確認しましょう。遺言書の有効・無効については、慎重な判断が必要ですので、遺言書について疑問があるようであれば、できるだけ早く弁護士に相談をしましょう。
5 相続放棄・限定承認について
仮に、故人の財産よりも債務の方が多いことが判明した場合、債務を引き継ぎたくない方は、相続放棄を行います。相続放棄は故人が亡くなってから3ヶ月以内に申し立てなければなりませんので、期間にはくれぐれも気をつけてください。
また、相続財産と債務についてどちらが多いのか微妙な場合も少なくありません。そのような場合は、相続する財産の範囲で故人の債務を負担する限定承認という制度があります。限定承認をした場合は、仮にその後に故人の多額の負債が見つかったとしても、相続した財産の範囲内しか責任を負いませんのでリスクから逃れることができます。もっとも、限定承認は相続人全員で行う必要がありますので、その点は他の相続人と意見の調整をしておく必要があります。
6 遺産分割協議について
以上の段取りを踏まえた上で、①どの相続人が、②どの相続財産を、③どのような割合で、相続するのかを協議する場が遺産分割協議です。
相続人間で遺産分割協議を行っても、まとまらない場合に家庭裁判所に調停を申し立てることになります。調停でもまとまらない場合は、審判に移行することになります。